Evening Starter 体験版感想・レビュー

3Dダンジョン

Evening Starter
男爵領  ダンジョンRPG  1,400円(税抜)
Evening Starter

美少女掃除屋が裏社会とオカルトに揉まれる3DダンジョンRPG大作!

科学やハジキでは解決できない怪異トラブルを請け負うことを生業とした野曽木 蓮は、警察や裏社会から一目置かれた掃除屋(スイーパー)。「毒操作能力」の持ち主で、オカルトの知識にも長けている。

ある依頼の遂行中、蓮は想定外の化物と遭遇。窮地に立たされ、やむなくある作戦を実行する。結果、辺り一帯に甚大なる被害を与えてしまい20億円(!)の負債を負ってしまう… 返済の為になりふり構っていられない蓮は政府機関から依頼を引き受け、ある邪神教団との戦いに身を投じていくことになる。

本作は超人気作「ルゴーム砦の脱出」の男爵領さん1年半の労力が込められた作品である。確かに処女作はヒットしたが2作目はどうなんと期待半分、生あたたかくサークルさんブログを拝見していたのだが…ごめんなさい、我輩がアホでした。めっさ面白い!むしろ3DダンジョンRPGになったことで前作よりストーリー性や設定・世界観・バトルの深みが増している。これがオラ(男爵領さん)の真骨頂だぁ!と見せつけられました(笑

世界観は、現代北海道の裏社会を舞台とし、オカルト要素(クトゥルフ神話がモチーフ)が練りこまれている。簡単に言えば女神転生チック、ツッコんで言えばGS美神とブラックラグーン、とある魔術の~を足して3で割ると丁度エェ。サブキャラまで魅力的な人物達、シリアスながらもほのかなコメディが効いたストーリー、ツリー形式のスキル・育成、そしてスピーディなバトル。我輩の様な厨二紳士はこの時点でwktkが止まらない。クトゥルフとか好っきやねん!

「Evening Starter」体験版では

行方不明だった生徒を助け共に戦う異界ダンジョン(全3フロア)、20億の負債を負うダンジョン(1フロアだが広い)、ここまでがオープニングっぽいダンジョン。オープニングを飛ばすと本編からとなる。20億返済のレクチャー後、政府の非合法エージェントである政次郎が持ち込んできた依頼を受託、市営地下鉄奥のダンジョン(全2フロアでごっつ広い)をクリアするまで遊べる。本編から政次郎が仲間になり、次いでシスター・ユーリヤが仲間になる。ボス戦は3回。プレイ時間にして3時間以上でめっさ遊べたわ!大作であるなぁ。その先をモノスゴくプレイしたい衝動に駆られる!エロは3シーンほどありこちらも特上ハラミクラス。

ゲーム開始時に3段階の難易度選択あり

Easy・Normal・Hardから選ぶ。我輩はノーマルでプレイした。ノーマルでも十分やり応えあり、ギリギリのバトルを強いられることも。ハードは2周目、若しくはマゾい紳士向けだろう。属性やスキルに精通し、キャラの育成方針をビシッと決めておかないと厳しいと思われる。

おそらく同人RPG史上最大の負債額の20億、どうやって支払う(泣

20億て…流石によくある売春エロで返済できる額ではなく、焼け石に水だ。ではどうやって?実は負債を負うハメになった大事件のケツは懇意にしている任侠組織がもってくれていた。本来70億の損害だったところを組長の妻、密柑さんが20億でまとめてくれたんですぜ。ねーさん、これ以上はどうにもならねぇってことで返済ルール。

・元金に関わらず毎週利息100万払ってもらいやす 何かと入り用でしょうから2週間は50万
・利息がし払えなかった場合、ねーさん出演のエロ動画を1本撮ることになりやす
・元金はいつでも返済してもらえやす 1億返済毎に何かいいことがあるかもしれませんぜ
・探索で見つけた高価なブツはブラックマーケットで捌けやす 売値の9割は返済にあてますぜ

20億というと途方もない(実際ステータス画面を見ても途方もない)額だが、高価なブツを入手できれば火の車というほどでもない。蓮の処女を守ってのプレイも十分可能(ノーマルの感想)。プレイ効率があがるほど返済はゆとりが出る設計だ。

基本は拠点である事務所・繁華街とダンジョンの往復

財産は全てボッシュートされ、小さな事務所と残金10万、裸一貫でゲーム開始となる。最初の利息返済日は6日目の行動開始時。それまでに市営地下鉄奥ダンジョンで戦い、お宝ゲット&ボス撃破すればいい。序盤だからか、日数的には余裕をもって攻略できる。体験版終了時、必要な装備や消耗品を充分用意しても1千万位は残った。

繁華街メニューからは様々な店にいける。返済や重火器購入、ブラックマーケットを利用できる弥武組事務所、アクセサリやスロットアイテムを購入できるオカルトショップ、情報や依頼を得られるCLUB邪教の館、戦闘不能を回復する整体の4つ。邪教の館での依頼は必要なアイテムをもっていれば即達成可能故、ダンジョンから戻ってきたらまずここに寄ろう。依頼達成でお金以外に貴重なアイテムを得られるかも。

蓮の事務所では「休息」を選択すると回復して日数が進む。「出撃」でダンジョンに潜り「ド・マリニーの懐中時計」を使えばいつでも事務所に帰還可能。ただし一度戻ると日数を進めない限り「出撃」できない。故にダンジョンでは限界まで戦うべし。その他、メールで依頼される売春を行ったり、エロ回想、セーブなども可能だ。

チョイとクセのある3Dダンジョン 広大なマップはオートマッピング

そもそもツクール製で3Dダンジョンが珍しい。スクリプト素材が少ないのだろうな。まぁそれはおいておき、3Dダンジョンでは見た目の距離感がやや掴みにくい。あと一歩前に行けそうだが進むと壁に当たり、前方横にある扉を目指して進むと一歩行き過ぎている、ということがある。まぁこればっかりは慣れるしかない。体験版範囲では広大ではあるがあまり複雑な構造ということもなく。画面端には常に周辺マップが表示されている故、これを見て進むといいかもしれん。全体マップはAキーで。

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体験版最悪の敵PT 全員全体攻撃持ちで緊張感ありありだ 敵は上下に微アニメしている

武器特性と属性に支配されたバトル 銃火器は威力が高いがコストが…

敵は銃が効きにくい敵、そもそも物理が効かない敵、魔法が効きにくい敵など様々、殴る一辺倒では倒せん。物理属性だけでも銃、炸裂、斬撃などいくつかの属性があり、魔法属性にも火、水、土など数種類、つまり属性要素が強いバトル。各キャラは近接武器、銃火器類の2種装備できる故使いわけて戦う。そんな中「毒操作能力者」である蓮の「呪・毒」属性スキルは、耐性を持つ敵が少ない(いない?)故かなり強力。メイン火力メンバーの筆頭だろう。

銃火器は近接武器に比べて威力が高いのだが弾を消費する為コストがかかる。銃によっては3連射、10連射等を選択でき、瞬間的な火力も非常に魅力的だが弾がなくなればリロードする手間(スキルで省略可)が。命中精度と威力が高めだが連射性が低いハンドガン、連射性が高く多弾倉だが命中精度が低いマシンガンなど銃の種類によって特徴も異なる。

と、こんなことを踏まえてのバトルは非常にスピーディで戦術性が高く面白い!「コイツらは近接攻撃オンリーでしばく」「術師はヤクイ!フルバースト(10連射)で瞬殺!」「コイツらはスキル攻撃が有効だけど低コストスキルで片づけたい」TPと弾のコストを考慮し、バトル毎にこんなことを考えながら戦うワケだ。効率を求めるならできるだけ近接攻撃で仕留めたいところ。近接攻撃関連のスキルを充実させるもひとつの手だ。ちなみに↑の画像は体験版最凶の敵PT。全員全体攻撃を放ち、後ろの「血霊」は物理が効きづらいおまけ付き。レベルが低いうちにエンカウントすると危険。不意打ちなど食らえば目も当てられない(泣

スキル習得でどうキャラを育てていくかも悩ましい

本作は敵とエンカウントする場所が決まっており、倒すとその場所ではエンカウントしなくなる(フロア移動で復活)。逆に言えば倒さない限り同じ場所で何度もエンカウント。「逃げる」と一歩下がる故避けては通れない。戦いたくない時めっさ便利なのが政次郎のスキル「スニーキング」。エンカウントを何度か無効化してくれるのだ。

政次郎は隠密スキルが高く素早い近接攻撃にも優れる。スキル「返し刃」で近接攻撃が2回に、「追撃刃」を覚えるとターン終了時にランダムで追撃する。一撃のダメージは低めだが追加攻撃は長期戦になるほどじわじわ効く。じわじわと言えば蓮の呪・毒スキルも「出血」や「毒」のデバフを与えターン終了毎に追加ダメを与える。ユーリヤは祝属性と回復スキルが豊富で、近接攻撃スレッジハンマーも当たれば強い。

とまぁこんな感じで各キャラ毎に固有スキルがことなる。スキルは固有スキル、パッシブスキル共にスキルツリー形式となっており、レベルアップで得られるSPを振り分ける。万遍なく上げるのは×、伸ばしたい系統を重点的に上げていこう。銃火器や一部防具についても装備するには○○マスタリーというスキルを習得する必要がある。近接攻撃、銃火器、固有スキルの何をあげるかはプレイヤー次第であり、育成の自由度は結構高い。まぁ火力重視なら有用なスキルとキャラはおのずと決まってくるが、スタイルを貫くのも一興。そしてそれが可能なゲームでは。ちなみに本編では更に2人、PTに参加して5人PTに。

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メニュー画面 ツクール製を感じさせない BGMは女神転生系だな

直感的に操作できるUI UIが雰囲気作りに一役買っている

とりあえず知りたい情報が一見してわかり操作しやすいメニュー画面の作りは見事!負債額も一目でわかり、リロードもこの画面から可能。予備弾倉(マガジン)も一括表示。リロードがメニュー1階層目で行えるのは遊ぶ側の気持ちがよくわかっているなぁと。また、繁華街メニューではXキーキャンセルで事務所に戻り、事務所メニューではXで↑のメニューが開く。非常に細かいことだが、この何気ない操作のしやすさに我輩は感銘を受けた。なんと直感的で遊びやすいUIなのかと。コイツナニ言ってんの、と思うかもしれんが、実際そこに意識して遊んでみればこの配慮の優しさがわかる。

それだけに店でメニュー画面が開けないのが残念。店で購入した装備は事務所に戻らないとメニューが開けず装備できない仕様なのだ。そこまで配慮できていて何故…スクリプトの関係でそれが実現できなかったのだろうか。

Evening Starter

CG的にアドバンテージのあるエロ 処女ヒロインが撮影されちゃう!

エロは利子支払日に「払わない」を選択した場合のエロと、ストーリーを進めると事務所に来る売春メールの2種。前者は利子を支払えるだけのお金があっても「払わない」を選択できるのだ。後者は受けるか無視するか。どちらにしてもプレイヤー次第なワケだ。エロは必ず動画撮影され、それが「Ith-Video」というサイトに投稿されてしまう。事務所のメニューから閲覧可能だ。

エロ開始時「悔しそうに~」「諦め~」「快楽~」などからヒロインの反応を選択できる。これによりエロ中のセリフが変わる仕様。経験が豊富になるほど後者の反応が選べるようになる様だ。CG自体が素晴らしく、ゲーム部分でキャラへの思い入れも充分故、結果大変エロス!蓮だけでなくユーリヤなど後発のヒロインにもエロがある模様。蛇足だが、女性キャラはメニュー→パーティ情報→ステータス→プロフィールで性経験を確認できる。

体験版総合的に

ゲーム性、シナリオの牽引力、エロ、どれをとっても申し分なし。エロイプレイもエロくないプレイも可能であるし、キャラ育成にもそれなりの自由度がある。3Dダンジョンという時点で間口は狭まってしまうのは仕方ないが、是非体験版をプレイしてみてほしい逸品だ。3DダンジョンRPGとしては間違いなく最高峰クラス。

<追記>
本作のファンディスク的な、ボツCGや設定資料などを詰め込んだ作品が700円で登場。
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