セヴェランス家の三姉妹

セヴェランス家の三姉妹　　夏だから暑かった

1000年前に発見されてからというものオーパーツが眠るという「ロハンソン・ホール」に潜る冒険者は後を絶たない。主人公(名前決め)は物心ついた頃に命を落とした両親の背中を追って冒険者学校に通い、今まさに実地訓練としてロハンソン・ホールに潜るフェーズである。両親は「セヴェランス家」のご令嬢三姉妹が乗った馬車が、魔物に取り囲まれているのを見るに見かねて助けに入り命を落とした。

以来、天涯孤独となった主人公を育ててくれたのはセヴェランス家であり三姉妹とは特に仲がいい。しかし主人公には出自が貴族ではないという引け目もあり、冒険者学院への入学と共に自立、それでも三姉妹は彼女達が通う名門女学園寮の管理人アルバイトを斡旋してくれるなど常に目をかけてくれている。

▲なにやら重厚な物語を感じる小説の表紙の様なタイトル画面

▲王都アドベンチャーズ学院に通う主人公。「王都」を冠してはいるが国からは認可されていないバカでも入学できる学院。彼がバイトしている女学園とは雲泥の差がある

▲女学園内　そこに通う三女・ジュンナ

▲次女・ユーコ(右)も学園生、長女・フミハ(左)は学園教官　見ての通り全員ロケットおっぱい

女学園や王城のある王都と、主人公が住む冒険者学園がある郊外は明確に貧富の差を感じるBGMやマップ描写(特に郊外の地下街や集落は生々しく描写されており、自殺者多数の断崖絶壁や心の病の苦しさを語るNPCなど、他にはないサークルさんの闇を感じる；)はそもそも主人公に明るい未来は無いことを暗示している様な作りでメチャクチャ印象的だ。

またやたら数多く存在するNPCはぶっちゃけ話を聞く必要は全然ないのだが、それぞれが様々な欲望や嘆きにも似たセリフを語り、やっぱり生々しくもダークな波動を感じるMV製NTRRPGである。

▲一人で実地訓練中、ジュンナ率いるPTに出会う。彼女はしきりに主人公を心配してくれる

ゲームとしては主人公がロハンソン・ホールに潜るほど三姉妹たちがそれぞれに対応した間男に寝取られていく。三女ジュンナは用務員のおっさんに、ユーコは教官に、フミハは女学園理事長の孫に。

当初は主人公1人で潜っていくが、三姉妹もその内仲間になる。序盤は寝取られという程の内容でもない(お風呂を覗かれるとか)のだが、主人公PTがオーパーツを入手していくことで寝取られは加速していく。それらの入手は両親の背中を追う主人公の念願だったはずなのに、主人公に破滅をもたらしていくことになるのだ。昏睡や発情、催眠など、オーパーツがもたらす能力により彼女達は間男に…。回避する術は用意されていない。

という感じでNTRRPGとしての絶望感が強い設計はグレイトだと思ったし、序盤で三姉妹がやたら主人公に好意を向けてくるものの、引け目を感じている主人公が一歩引いている展開も、その後の取り返しのつかないNTRに拍車をかける。

ここからは本作の良くない点。主人公が住む郊外から通うことになるロハンソン・ホールまで結構距離があり、装備品やアイテム購入できる店やバイトする女学園は更に遠いのに、ファストトラベルの類が用意されていない。また、ダンジョンから離脱可能システムやアイテムもなく、潜った分を歩いて戻ることになりテンポが悪い。前者はともかく、後者は帰りの分の余力も考慮して探索せねばならない。個人的にはそんなゲームだと事前にわかっていれば気にはならなかったかもしれん(冒険のリアリティはある)が、昨今のエロ同人ゲームでは用意されているのが普通、あると思っていたのに「ない」となると評価はされにくいのかぁと。

お金を200払って王都の宿に泊まれるようになればダンジョンや女学園への移動は短縮されるが、序盤はその200がクソ高い。それだけに宿に泊まれる様になったら達成感もあるのかもしれないけども。

▲序盤の敵出現数は1～2体でレベルは上がり辛い。ファイアで一撃で倒せるクモは楽勝なのだが、ファイアが効きづらいスネークが2体でるとかなり厳しい戦いを強いられる

ダンジョン内はランダムエンカでエンカ率が高め。逃げるは100%かと思いきや、特定の階での特定の敵の組み合わせでは何度か逃げるを選択しないと成功しなかった。特に序盤はレベルアップもしづらく回復はアイテムのみ、潜る都度前述の遠い店まで回復アイテムを買いにいかねばならない。まぁ三姉妹が仲間になればこの点は解消するだろう。

総じて世界観設定やNPCの生々しいセリフによるフレーバーなどは好みはあれど印象深いものがあり、身分の違う三姉妹から向けられる好意は主人公自身も優越感を感じている序盤の展開はいいなぁ。彼自身は謙虚で勤勉、女学園の生徒からも「管理人さん」として慕われており、明るい材料が多いだけに寝取られ展開とのギャップを味わえそうだ。回避ルートもない一本道ゆえ鬱勃起は避けられないっ。