この世は悪意でできている

RPG

2019.04.26

この世は悪意でできている　　Atelier えうろぱ

幼い頃に両親を亡くし天涯孤独の身のアイリスが主人公、彼女に関わる人間からの悪意(欲望)にに対し、拒否したり流されたりしながら、様々な行く末を見ていく短いスパンでの周回を前提としたMV製のRPG。探索やザコ戦によるレベリングは必要なし、エロを含むイベントを楽しむタイプではあるが育成の面白味は備わっている変り種。

▲各舞台のマップは1画面に収まる探索不要な仕様　☆や！の付いているNPCと話していくことでストーリーが進む

村長の馬・ファルシオンの世話をしながら馬小屋で暮らしているアイリスは、おおよそ人間の生活といえる水準ではないにしろ、兄妹の様に育ったファルシオンと仲睦まじく、村人にも可愛がられており彼女にとってそれが日常だった。しかし初潮を迎え、村長に欲望が芽生えたことを切欠に彼女の人生は二転三転していくことになる。

▲この後「生理」だと教えられホッとする

▲メニュー画面　まだ女としては無垢

▲初めてぶつけられる「欲情」という名の悪意。この後戦闘になだれこむが、その前にセーブや装備変更などの「ひと息の間」を置いてくれるあたり好印象

▲敵グラはキャラチップを拡大したものだが良く動き「丸め込もうとするセリフ」も演出として使われる戦闘

▲戦闘に限らず小さいフォントや大きいフォントなど数種を駆使し「弱気」「恥ずかしい」、「威圧」や「欲望」を表現する演出が没入感を高める

▲負けると説得されて(丸め込まれて)愛人に…

本作は大きく分けて「村編」「街編」「都編」の3舞台からなる。それぞれの舞台ではいくつかのBADENDルートに分岐し、別々のENDを迎えることになるが、分岐は基本的に戦闘(相手の悪意に対して拒否できるかどうかを描写、物理的に戦うワケではない。負ければ口手八丁で丸め込まれる、流される)の勝敗によるもので、勝利していけば村から街へ、街から都へと舞台を移していくことになる。

▲メニュー→「ルート確認」から拝見できる「村編」のルート分岐

▲村編から下にスクロールしていくと拝見できる「街編」

▲街編の下にある「都編」　ドクロの数だけBADEND、都会ほど悪意が多い訳である

ただ初見戦闘はレベルや装備的に勝てないことが多く、ゆえに自ずとBADルートへの分岐(エロ含む)を見ていくことになる。戦闘で敗北しても経験値を得られレベルアップ、ENDを迎えることでもボーナスアイテムやスキルを入手できるゆえ、強さを引き継いで周回すれば次は勝てる様になっているゲーム設計だ。様々なBADENDを見つつ何度も周回して先に進めていく。

周回の際は一度見たイベントは全てスキップ可、一度勝利した戦闘は勝利・敗北を任意で選べる配慮あり。

▲ENDボーナス　一度見たハートのマスはEND後の回想も兼ねている

それでも周回は若干面倒さはあるものの、特定の装備品をを所持した状態でNPCと話すと他装備と交換が可能で、繰り返していくことでわらしべ長者的に装備品が整い育成的には楽しかったり。まぁそもそも難易度イージーなら初見でもサクッと勝てるし、各舞台をクリアすればその分の回想は解放される。

▲村編の全イベント(戦闘イベントが一つ抜けてるが)

ちなみに村編でのBADENDルート2つ、一つは村長戦で負けて愛人になる→「オレもずっと狙ってたのに！」と言い出す村長の息子(以下息子)とも関係をもつ→妊娠するがどちらの子供かわからない。それでも家族ができることを喜ぶ「誰の子なの？END」(面倒だから堕ろしてもらおうと村長親子は企てている)。

▲BADENDを迎えると、辿ってきた軌跡がテロップで語られた後に

▲END時の状態を表示

二つ目は村長戦に勝つ→村から出てけ！と言われ途方に暮れるアイリスを息子が助ける→息子戦で負けると流されエロ、なんとなく恋人っぽくなる→村長にバレて二回目の戦闘で負ける→村長が息子との騙し合いに勝ち結局愛人になる、息子はあっさり彼女を諦め街へ風俗巡りに向かう→村の男全員と関係を持つ娼婦になり「村で生きるという事END」

▲息子が風俗巡りから帰ってくると彼女はすっかり村の娼婦になっていた