ナイトテール さーくるくらすけ倉庫
女主人公 ツクールMV製 バランス型 難易度:普通
ナイトテールと名乗る夢魔バスター「夜」が現実世界と夢の世界「楽園」を行き来しながら行方不明となった姉「朝陽」を探し、楽園管理者を倒していくRPG。シナリオ途中からは同じく夢魔バスターとなった「真白」も登場。夜と真白を任意で切り替えて進めるザッピングプレイ、ある程度ゴリ押しも可能だが工夫次第で有利になる戦闘、後日談までじっくり描かれる敗北エロ、欲望レベルによるNPC段階エロと、「ゲームとしての面白さ」と「ゴハンおかわりっ!」を高水準で両立させている大作エロRPG。さらっとしたコメディを交えつつ展開するシリアスシナリオや良く練られた世界観もプレイヤーを選ばないんじゃないかと。
【体験版評価】8.8/10点 (面白さ9 システム8 没入感9 エロス9)
▲オープニング この視点が誰のものだったのか後になってわかるちょっとした伏線
まずは世界観や本編である「楽園の探索」までの経緯を。ここだけでも随分ボリュームがある。姉である朝陽とその妹の夜は、「サポーター」と共に「夢魔」に憑りつかれた人間の夢の「深層」に入り夢魔を退治する「夢魔バスター」である。
▲朝陽のサポーターの志郎と夜の会話。志郎は温厚で知略に優れるが臆病な性格。
「深層」とは人が普段見る夢の更に深いところ、なんらかの理由で深層に迷い込んでしまった人間が夢魔に襲われると記憶を失ったり、最悪の場合は現実世界から存在自体が消え、周囲の人達の記憶からも消えてしまうと完全に現実世界から消失、深層世界に捕われてしまう。そうなる前に深層に潜り夢魔を倒す力を持つのが夢魔バスター。
ゲーム中の言葉を借りると「普段見る夢がソロプレイRPGだとすると深層はMMOPRG」であり、深層では一人で見る夢とは違いある程度のルールがあり、夢の様になんでもできるわけではない。その制約を打ち破り深層下で特別な力を得られる能力者が少数いて、朝陽と夜はその部類だ。志郎もその一人だが、彼の力は「ポータル作成能力」で戦う力はない。
▲最初のお使いイベント時にちょいと時間をかけて商店街とか道場とか町はずれ等、街を探索しておくと、後々の変化に気付きシナリオの理解が高まる作り。
▲商店街にある骨董品屋。ある意味夜達と「同業者」で深層世界で出会うことも。
▲一人で仕事を任され悦ぶ夜に対し、ちょっと不満気味な朝陽お姉ちゃん
ベテランである朝陽の仕事を手伝うだけだった夜はある日一人で夢魔退治の仕事を任される。バイトの康平をサポーターとして、夢魔に憑りつかれ弱った客の深層に潜り、なんとか夢魔を倒すことに成功する。
▲バイトの康平 軽薄そうだがやるときにはやるナイスガイ。サポーターは遠隔地からのサポートがメイン
▲夢魔に憑りつかれた爺の深層世界 マップチップも美麗なのだよなぁ
▲必殺技で敵にトドメを指したシーン 被ダメでアーマーブレイク2段階、一部の敵はコウフンし攻撃力が微増する
その後、連絡がつかない朝陽と志郎を追って合流するも、その施設で行われていたおそるべき計画を知る。「会長」と呼ばれる女とその同志たちが、深層に築いた「楽園」に夢魔を使って街の人達を誘うと。
▲会長曰く「楽園に来た人間は現実での苦から逃れ、孤独な夢ではなく皆で見る夢の世界で楽しく過ごせる」と。ユートピアに勧誘する宗教みたいだな。
しかし深層の楽園で過ごすということは、その内現実から存在が切り離されるということ。夢魔バスターの信念と反するところであり朝陽は彼女を撃退、深層と現実の狭間の様な施設からの脱出を試みる。しかし…
▲強敵に挟まれ朝陽と康平がそれぞれの敵に対応、志郎(ダンボール)と夜は現実世界へと逃れる。朝陽と康平は戻ってこなかった…
この後きゃつらは「楽園計画」を発動、夜は楽園と現実世界を行き来して楽園幹部達を倒しつつ姉を探す。ここまでで1時間~程度。もう1人の主人公、真白が登場するのは夜がもうちょっと暴れた後だ。
序盤の攻略所感としては、回復は宝箱やドロップで得られるアイテムのみで購入もできない故、宝箱をきっちり回収しつつもレベリングはそこそこでいいかと。回復アイテム類は所持上限が9個、HPが厳しくなったら躊躇せずに使うといいだろう。
▲現実世界の街を探索してみると、いたはずのNPCが何人か消えている。楽園計画が発動した今、街の住人は眠るとたやすく「深層」に入り込んでしまい、このままでは住人全員が楽園に取り込まれてしまう
単なる夢の世界ではなくルールが存在する「深層」だとか、なかなかに世界観設定が複雑なものの、各種システムのチュートリアルを兼ねつつ(↑では端折っているが)、丁寧に作り込まれたプロローグからもう面白い。この時点での夜と康平の微妙な関係性もいいのだよなぁ。
■INDEX
楽園へ~第一区画
朝陽と康平を失った夜は志郎をサポーターとし、拠点から任意で深層の楽園へ潜り、任意で現実に戻ることができる。志郎は深層内において夜が進む先々でポータル(ファストトラベル用)を設置してくれる。
▲現実世界で経営していた喫茶店が深層世界にもあり拠点となる。その隣には現実にはなかった万屋。ロータスと名乗る彼(彼女?)は楽園でも万屋を経営している謎多き人物。とりまここで新たな装備品を購入しておこう。
▲拠点から南に行くと現実世界にもいたパワフルなBBAが。現実世界では公園だった場所に鳥居にが建っておりそこが楽園への入口。このBBA関連の演出は端折るが、すげぇカッコイイBBA。
楽園はいくつかの地区にわかれおり、まずは「キング」という人物が管理している第一地区を攻略する。
▲このお姉さん、商店街の「喫茶さくら」からいなくなってたお姉さんじゃないか!楽園ではお姉さんの様に現実世界から連れ込まれたNPCと、兵士とか商人などファンタジーNPCがごっちゃに存在する
赤の「!」が出ているNPCはメインストーリーを進める為のイベント、緑の「!」はサブイベントNPC、これは楽園・現実共通。その時点での緑「!」サブイベントを受けておくと、メインストーリーを進めながら達成できることも多く、積極的に依頼を受けておこう。以下の様な、メインストーリーとは関係ないが別途探索を必要とする様なサブイベントもある。
▲廃墟探索サブイベント サブイベントは任意だが、エロフラグになっているものも多い
夜の目的は各地区の管理者をぶっ倒しながら朝陽と康平を探すこと。第一区を管理する「キング」は嫁オーディションを行っており、「てっとり早い!」と参加した夜だったが残念な結果に終わる。クソが!と結局キングがいる王城に繋がる地下道を、敵を蹴散らしながら進み辿りつく。
▲キングの話からきゃつらの狙いが少し読み取れる。深層世界での刷り込み・洗脳を受けると現実世界でも影響が出るという
▲嫁オーディションに合格した女達はキングの玩具にされていた
▲キング戦 キングは志郎の様に戦う力のない能力者だが異形の怪物に姿を変え戦闘力アップ。数ターンに一度強力な攻撃を仕掛けてくるが、適当なレベリングと回復アイテムを揃え、チュートリアルを踏まえた戦い方をすれば負ける要素はない
キングを倒すと第二地区へ… の前にここからもう1人の主人公「真白」視点に。もう真白の存在を忘れるくらい夜の物語に没頭してたな。
真白 めっちゃ鈍感だけど夢魔バスターになる
この街に引っ越してきたばかりの真白も、他の住人同様、気付くと楽園へと誘われていた。新居だった家が廃墟になっており「???」の真白は探索を開始、例の鳥居をくぐると遠くから助けて!という声が聞こえそちらへ向かう。
▲現実世界での真白の家は引っ越しの真っ最中だった。彼女はここが夢の世界だとは気付いていない
▲向かった先に夢魔。マトンと呼ばれる羊が奮闘するも苦戦、「馬鹿乳」呼ばわりされた真白は事態が飲みこめず、言われるがまま引き返すが橋が壊れ地下に落ちてしまう
▲落ちた先に何故かロータス。ロータスが用意していた石に触れた真白は力を手にする
ロータスのおかげで真白は夜と同等の能力をもつ閃光の騎士「ナイト・エクレール(自称)」に変身できる様になる。子供達を守っていたマトンに合流後は、夢魔をあっさりと撃退する。
真白は今後、「何か」を奪われ、何も思い出せず自分が何者かすらわからないマトン(仮名)の自分探しに付き合っていくことになる。しかしマトンがいうことにゃ「自分の名前は『夜』」だと。
ここから現実世界で夜・真白視点を任意で切り替えることができる様になる。メインストーリーは主に夜視点で進めつつ、真白視点で物語補完的なサブストーリーをこなしたり。例えば夜視点でキング討伐後、第一区画城内の「!」兵士に話しかけると、「こういうことがあったんですよ…」という話になり、真白視点でのRPGパートに。クリアすると夜視点に戻る。
ちなみに夜と真白は装備品以外はすべて共通。真白でレベルアップしたり得たアイテムは夜視点でも引き継がれ逆も然り。
敵の見た目でタイプを判断 属性シフトで戦え
本作の戦闘はターン制コマンドバトル、戦闘難易度は比較的易しめの部類で戦闘エロはない。ただ特徴が二つ、ひとつは「属性シフト」システム。ボス含め全ての敵には属性があり、「属性シフト」コマンドから弱点の属性を選んで戦うことで若干有利に戦うことができる。選択した属性はすべてに攻撃に付与される。
鎧を着ている敵など「固そうな敵」には打撃、刃が通りそうな敵には斬撃など、相手がどの属性に弱そうかは見た目で判断する。チュートリアルでも「なんとなく見た目で」と(笑)
同じ敵に全ての属性を試してみればわかるが、どのシフト属性を選んだとしても与ダメが劇的に変わるわけではない。デフォのノーマル属性を基準とすると弱点で+20%程度、他属性だと+10%程度の体感。ノーマル属性が一番弱い故、相手の弱点属性がわからなくてもとりあえず属性シフトからなにかを選んだ方がいい。属性シフトはターンを消費せず、同ターンで何度も変更可能だ。
ふたつ、「瀕死状態」の敵に「必殺の一撃」でトドメを指すと経験値ボーナスが入る。敵のHPを1/10程度まで減らすとドクロマークが付き「瀕死」ステが付く。その状態の敵を「必殺の一撃」で倒すと経験値が上乗せされ理論上は効率よくレベリングできる。瀕死以外の敵には全く効かない故留意。
▲頑張って敵全員を瀕死にしたったw 必殺の一撃は全体攻撃でこの一撃で全員倒せる。が、時間をかけてこんなことをするよりさっさと倒して次を倒した方がいい
ただザコ相手にこれを狙うのは結構難しい。ザコは大概通常攻撃2~3回で倒せる故、HPを1/10程度に調整するには敢えて弱点以外の属性シフトでの攻撃で削ったりと、ターン数をかけることで被弾機会が増えてしまう。敵が複数なら尚更だ。
ならばターン消費無しで使える「パワーブースト」で攻撃力を高め(TP消費)、MP消費の強力な攻撃スキルを使い一撃で瀕死を狙う、等いろいろ試してみたがやはり調整は難しい。
結論としては「好きに戦って、たまたま瀕死になったら必殺を」かな(笑) まぁレベリングの過程で特定の攻撃で特定の敵をうまいこと瀕死にできるタイミングもあるだろう。そういう時に積極的に狙っていけばいい。ボスなどHPが高い敵は調整しやすい。何より必殺技で倒すのは単純にカッコよく、紳士のロマンである。
幹部戦敗北 長尺のBADENDエロ
幹部戦など強力なボス戦で敗北すると、BADENDを前提とした結構な長尺エロシーンになる。キング戦で敗北すると以下の様な流れだ。
▲キングはアナルにしか興味がない変態野郎
▲拘束された夜は何日も何日もかけてアナルを開発され…
▲アナルファック大好き娘に調教されてしまう。この後開放されるものの…
▲現実世界でアナル売りの少女になり
▲詳しくは思い出せないもののすっかりキングの虜されていた この後GAMEOVER
うーむ、アナルは特に好きではないが、丁寧な夜の堕ち描写にはグッときたな。序盤の探索時に発見した町はずれのラブホマップ、あの時は「…こんなところに用はないよ」と言っていた夜が馴染んじゃってるよぉぉぉ!と。
NPCエロはサブイベントをこなすことで発生
NPCエロは基本的に、前述したサブイベントをこなすことで発生する。一例を挙げると…
▲楽園第一区画の診療所イベントをこなすと、診療所にいるおじさんの深層に入り込んで夢魔を倒すイベントが発生。倒すとおじさんは現実へと帰っていく。
▲現実世界のおじさんに会うと悩みをいろいろ聞かされ…
▲こうなる。さっきまでクソ弱気だったおじさんが妙に強気に。
▲夜の「欲望レベル」が上がると段階エロが発生していく。
夜の欲望レベルはストーリー進行と共に入手できる「黒のデザイア」を使用すると上昇、真白は「白のデザイア」で。つまりエロエロな夜や真白にするかはプレイヤーの任意だな。エロイベントやサブイベントの発生条件は回想部屋で確認できる親切設計。
▲真白エロもちゃんとある
体験版総合的に
夜や真白他、登場人物の描写が非常に丁寧、キングの様な一時しか登場しないボスにまで立ち絵が用意されており純粋にシナリオを楽しめる。戦闘等のRPGパートもしっかり作り込まれ「妥協してる部分がない」と感じられる逸品。物語の核心に迫っていく黒がモチーフの「夜」、詳しいことは知らんけど活力に溢れる白がモチーフの「真白」、いい対比のヒロインだなぁ。頭身低めで肉厚な女体も魅力だろう。
前作「フランと罪人の島」はサブイベントなしの途中で二つのルートに分岐するRPGだったが、本作はサブイベ多数実装。
シナリオが良かった故、そちらを中心に記事を書いたら長文になってしまった。ここまでお付き合い頂きありがとう。
ナイトテール 1,500円(税抜)
DLsite
FANZA
妥協なき作り込みで独特な世界観を作り出している、ユニークで軽妙なセリフ回しが心地いい、そういう意味では「月の水企画」さんの作品を彷彿とさせるかな。中でも「夢」を扱ったRPG。
変身ヒロインモノでちょっと変り種。まずは戦闘のみACT、テイルズ~ライクRPG。
こちらは2人PTのローグライク。
バトルをカスタマイズできるRPG。
広大なダンジョンに挑むRPG。
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