Vampire Sister 体験版感想

RPG

Vampire Sister
サークルゴリッチュ  RPG  1,000円(税抜)
男・女主人公 ツクールVXAce製 バランス型
【体験版評価】7/10点(システム2 ハマり3 エロ2)

■エロくて笑えるイベントが詰め込まれたRPG プレイ感覚はADV

ヴァンパイアの姉妹・カミラとアルカ、根暗な学園教師・公文トオルがメインキャラクターであり、3人それぞれの思惑が交錯して奇妙な物語が紡がれていく作品である。主人公という点で言えばカミラとトオル、ふたりを切り替えて進めていく。カミラはある目的の為に日常的にヴァンパイア狩り。トオルに悪戯したり敵に敗北することでエロくなっていく。トオルはアルカに恥辱系の調教を施し、彼女を服従させるのが目的である。

ゲーム的には「フラグ立てゲー」というのが一番の感想。一般的なツクールRPGの仕様とは全くことなるシステムで、ややADVに近い。フラグの種類や数値の上げ方がわかりにくいのが難点で慣れるまでは何をすべきなのか戸惑う。良く言えば自由度が高い。また、本作におけるバトルはミニゲームに近いポジションで、強くなれば先に進めるというワケでもなく。

シュールコメディ神演出サークル(と我輩が勝手に思っている)であるゴリッチュさん、本作でも各イベントに万遍なく笑える演出が詰め込まれており、何度もフイタ。普段根暗で影が薄いクセに、エロチャンスと見るやいなや発情ブヒィに急変するトオルは必見である(笑 テンポとセンスバツグンの会話、テキスト以上にキャラ達の心情を描写するマップドットキャラのディテールと挙動。見事な「間」。ブラボー級。

ただそれもゲームシステムが掴めていない内は楽しむ余裕がない。手探りで遊びなんとなく掴めてきて、次々とイベントを消化できるようになるとゲームにテンポと流れが生まれて楽しくなってくる。慣れるまでモチベーションが持つかどうかが明暗を分けそうな。

■メインキャラ3人の関係性とか

カミラはある目的の為に同族のヴァンパイアを狩るヴァンパイアハンター。人間とのハーフ。アルカはトオルが教鞭をとる学園の生徒で姉同様くハーフ。体験版序盤での3人の人間関係を簡単に説明すると、カミラとアルカはあることで意見が対立しカミラは家出、トオルの家に流れ着く。姉妹仲は悪くはなく、アルカは姉を心配している。トオルはカミラに昔の恋人(?)の面影を見て、カミラの鬱憤の捌け口として悦んで性的悪戯を受ける変態。アルカと合体(?)することで「ブラッドバスター」に変身、ヴァンパイアと戦う力を得る。力を発揮するにはアルカとのシンクロ率を上げる必要があり、アルカを調教するに至る。アスカとシンジのユニゾンアタックみたいな。当初アルカはトオルを超軽蔑している。だがそれがいい。

■「Vampire Sister」体験版では

カミラはトオル、敵ヴァンパイアなど5人それぞれとのエロのレベルを上げていける。体験版では4人分のレベル1関連のエロイベントと、放尿や精液風呂など一般エロイベント(?)なども。アルカはトオルの調教エロイベントがメインとなり、体験版ではレベル4までの調教エロイベントを拝見できた。序盤ということもあり、カミラも含めソフトであっさりめのエロがほとんど。濃厚なのは製品版で、ということだな。

序盤のオープニングというか、ゲーム本編の流れに乗るまでが結構長く、アルカ調教に入るまでにいくつかイベントを経る必要がある。

■大小様々なイベントを次々とこなしつつ演出とエロを楽しむ

本作は大小たくさんのイベントをこなすことで少しずつ状況が変化、ある程度イベントを消化すると「本編イベント」を進めることができる。体験版ではそこまで遊べんのだが、これを見ることで大きくストーリーが動きそうだ。おそらくその繰り返しで展開されていくのだろう。

本作での「レベル」は一般的なRPGでいうところの「強さの目安」ではなく「ゲーム進行度」を表す。また各種イベントのフラグでもある。イベントをこなすことで上がり、任意で下げることも可能。レベル5の時にレベル2が条件のイベントを見たければ下げてみるべし。

■ゲームの基本の流れ

主人公キャラであるカミラとトオル、それぞれを任意で切り替えて進める。序盤はトオル先攻で進めた方がスムーズに進められる、かも。

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▲行動選択画面。主人公チェンジは「キャラ」から。

まずはこの画面から。「キャラ」と「場所」を選び「行動」を選択すると任意の主人公が選択場所に移動する。1日の流れは「前」「後」の半日ずつ、移動先マップから出ると半日経過する。「狩り」は専用マップに移動しバトル、「探索」はその場で探索判定を行いアイテムやお金をゲット。どちらも半日消費する。

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▲「外」マップ画面。□枠はイベント、マップ間移動可能な場所

場所マップ画面。各種マップにはこの画面の様に□枠が多数存在する。この枠はそれぞれがイベントであり、エロイベント、店、情報、マップ間移動、マップ外に出るなど。普通のRPGでは表示されず内容のみ処理されるイベントがそのまんま表示されているのだ。中に入れそうな扉も枠がなければ入れんし、慣れてくればこの仕様がどれだけテンポの良さを重視しているのかがわかる。マップ外に出る枠もそこら中にあり、わざわざマップ端までいかなくてもいいのだ。

ゲームの基本の流れとしては… トオルはアルカのいるマップに行き、アルカを調教してレベルをあげていこう。お金や素材アイテムに余裕があれば、各種エロアイテムを購入・作成してマップ上のカミラエロイベント枠にアイテムを仕込んでおく。カミラでそのマップに来た際、それがエロイベントフラグになるのだ。対してカミラは割と自由だが、トオルの仕込みがないと見られないエロも多数ある。序盤は各種NPCとのエロイベントをこなしつつ狩りでお金を貯めてコスチュームを購入していくといいかも。

カミラにしてもトオルにしてもレベルを上げていくには「いたずら」というアイテムが重要。これは1~3の種類があり、所持していればいたずらイベントを進めることができる。消費アイテム故、たくさん集める必要があるぞ。素材で合成、店で購入、マップにランダムで落ちていることも。

■バトルはお金とアイテム稼ぎ用 オマケの様で割と重要?

バトルは狩りと特定NPC間で発生する。目押しが必要なスロットバトルだ。横流れ故ルーレットという方がわかりやすいか。シンプルだがコツがいるバトルで緊張感がある。HPはカミラ、トオル(ブラッドバスター)共に10固定、敵をある程度倒すごとに攻撃力のみ上がる。防御とか素早さなどの要素はない。そして唯一成長する攻撃力はカミラ・トオルで共有する仕様。つまり同じ強さなのである。ちなみにお金やアイテムも全て共有。

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画面上部にある癒3、攻3、ダ2などのバー。バトルに入るとこれが左から右に流れていく。Zキーを押すと「↓」の枠にあるコマンドが実行される。「攻」は敵に攻撃、「ダ」は敵の攻撃、「癒」は回復。それぞれ1~3まであり、数字が大きい程威力が大きい。バトルイニシアチブはプレイヤーにあり、目押し次第なバトルだ。敵の方が圧倒的にHPが高く一見不利っぽいが、攻撃力はこちらが圧倒的に高い。ダ1で被ダメ1.ダ3で3。癒しも同様だ。攻は1で主人公攻撃力そのままのダメを与え、3なら2倍のダメを与える。ちなみにデフォ攻撃力は10。「感度」は被ダメを大きくして負けやすくする仕様。

クセモノなのがルーレットの早さ。攻や癒といった有利になる選択をすると流れが速くなるのだ。それが続くと、とても目押しできる速さでなくなりランダムに近くなる。ダを選択すると遅くなる。ここで重要なのが効率。攻3は与ダメ2倍だがルーレットの早さは3段階早くなってしまう。バトル序盤は攻1でHPを削り、敵残りHPが少なくなったら一気に攻3で攻勢に出る、というのが理想だ。ボスクラスの敵などはHPが600もあるが、長期戦を覚悟すればデフォに近い状態でも勝てる。まぁランダムでも単純に2/3はこちらに有利なコマンドであるし、コマンドの色を覚えれば目押し成功率は高まる。

勝利でお金、アイテムをゲット可能。更にキーアイテムっぽい「ヴァンパイアの牙」を必ずゲットできる。当初はフラグアイテム購入の為、狩りで戦うことになるか。先の展開に備えて攻撃力を上げておくことも必要だろうな。おそらくだが、あまりカミラでバトルし過ぎない方がいい気も…

■エロはガッツリCGエロは望めない 雰囲気と演出、テキスト重視

たっくさんあるイベントの殆どがエロ関連。ただしソフトなものも多く、一般的なエロRPGにおける「さぁここヌキドコロだよ」なイベントは少ないかもしれん。CG一枚絵はほとんど登場せず、立ち絵とカットイン、マップドットキャラのアニメで表現されるものが殆ど。エロイと感じたらそれがヌキドコロかも。立ち絵表現だけでも結構エロイのだ。

VS

■体験版総合的に

とにかく慣れるまで我慢できるかが全てでは。↑で紹介しきれていない要素も多々あり、それらを含め理解できれば俄然楽しくなるはずである。こと「エロ」でいえば、シナリオを楽しみ、各キャラに感情移入していくことでエロくなっていくタイプだろうなぁ。特殊なゲームシステムを理解することで数々のブラボー級コメディとエロ、ゲーム性を楽しめる超固いスルメの様な一品だ。難易度は決して高くはない。

体験版範囲では面白くなリ始めたところで終了故、システム含めとっつきにくいのが勿体ない…

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