■世界を統べる英雄王を討て!PT制WTB、骨太シナリオの大作RPG
本作を面白そうだと思う最大の要因はやはりWTB!FFを彷彿とさせる洗練されたバトル画面にグッとくる。バトルではやはり敏捷値が重要。スキルを使う場合は貯め時間が発生し、スキルを撃つ前に特定のスキルで潰すこともできる。ただHPを削り合うだけでないタクティカルなバトルが楽しめそうだ。
装備ごとの特性があり、覚えるスキルは武器依存。王道シナリオ、やりこみ要素、ED7種類、製品版プレイ時間は30時間と大作RPGだ!体験版もかなり遊べるボリューム故、興味のある紳士は是非プレイすべし。
前作も結構なボリュームだったと記憶しているが、本作はそれを更に上回る大作と呼べる内容となったRPGである。ハーフオークである主人公セト(♂)は、とある貴族に執事として務めているが、母の死をきっかけに旅に出ることを決意。「天・地・人」の内、天(時の利)と地(地の利)が揃った今、自分に足りないのは「人」のみ。
世界を旅し、同じく英雄王を討つ意思をもつ戦士達を仲間とし、オーク一族の仇敵である英雄王を討つ!大作らしい冒険心をくすぐられる感じではないか!
仲間になるヒロインは全17人、うちストーリーに深く関わるメインヒロインは7人。彼女達とは一緒に行動することで好感度があがり、一定に達すると基本的にラブなエロが。ランダムエンカウントで出会う、どっかでみたようなヒロイン7人は、最初から仲間になる娘もいれば、頑なに拒否する娘も。後者の娘は拠点で調教を施すことで仲間になるらしい。
調教はランダムエンカウントで敵対するモブ娘も対象。こちらは調教して性奴隷にし、売り払うことで大金をゲットすることができるようだ。エロは全66シーンもある。
■体験版はストーリー序盤 が、ゲーム本質を探るには充分なボリューム
体験版では序盤戦争イベント~次の戦争イベントまで遊べる。エロシーンは5、全ての要素を遊び尽くすなら2.3時間はかかるボリューム。とはいえ、これでもシナリオ序章に過ぎない。理由は下記参照。
■FC・SFC時代を彷彿とさせる硬派王道RPG!
体験版を遊び終えてまず一言。ごっつい面白かった。そして懐かしさを感じた。FC・SFCのRPGを買い漁り遊びまくった我輩としては、その時代のRPGを遊んでいる感覚で夢中になって遊んでしまった。うーむ、ここまで時間を忘れて遊んだ同人RPGは久々。デーモンマスタークリス以来だろうか。面白さの種類が違うが。
■主人公セトに感情移入できるシナリオが秀逸。ハーレムな展開にもニヤリ。
前作との関わりはセトがハーフオークということだけかと思いきや、意外にも深い関わりが。ネタバレはつまらん故割愛するが、ゲーム開始当初セトを取り巻く環境からして、彼が英雄王を倒すなどというトンデモ行動を起こすことに十分納得できる動機設定だ。
母親が死んだことを機に、セトは手始めに仕えていた貴族の邸宅をその貴族の令嬢オデットと共に占拠する。英雄王を倒す為の拠点とするには絶好の条件が整っているからだ。オデットは幼馴染。
このイベントの後、英雄王のお膝元である王都に偵察に向かうイベントがあり、その後に自由行動。体験版では拠点から西エリアにしか行けないが、製品版では行き先に制限は無い模様。遊び方に幅がでるな…
■基本システム
エンカウント率は高めだが、街道を進めばエンカウントしない。最大4人PTvs敵多数。序盤の人数が少ない内はかなり厳しい。雑魚逃走は100%成功。ただしWTB故、先に敵の順番が回ってくるとダメをもらう。
レベルはかなり上がりにくい。DQ並とまではいわんが、プレイ時間の半分はレべリング。同時にお金も貯まりにくい。
スキル習得はレベル依存。物理攻撃スキル使用にMPやTPは消費しない。前衛・後衛等の配列なし。敵も然り。雑魚戦敗北エロなし。敗北ペナはお金でゲームオーバーなし。お金は拠点に預けられる。
戦争イベント(FF5のビッグブリッジ的な)での戦闘敗北はゲームオーバー。序盤からMP消費ナシのテレポを使えて、行ったことのある街や城、拠点邸宅に移動可能。どこでも使用可。拠点邸宅に入るだけでPT全回復。Aキーでゲーム時間自体を早送り可能。
■ストーリーに関わる登場人物はほとんどがどっかで見たことある奴ら!
↑の王都偵察イベで明らかになるのだが、王都にいるNPCは見たことあるヤツばかりでフイタ(笑 鋼の錬金術師の面々、お馴染みドラゴンボール後半登場キャラ、るろうにキャラ、SAO等々。どんだけ詰め込んどんねん!我輩が気付かなかった奴らもいるだろう。王都で情報を集めていくと、英雄王の名はギルガメッシュというらしい。そしてその側近としてホムンクルスがいるとか。ホムンクルス?(汗
で、祭りに浮かれる王都でまんまと本丸である英雄王の部屋に辿りつくセトとオデット。しかしそこは流石英雄王、気配を察知され鉢合わせに!…ってギルガメッシュってまんまFateのおまえかい!側近のホムンクルスは言峰やないか!設定ごちゃ混ぜ!でも成立しているという不思議。
サークルさんの作品紹介にもある通り、仲間になるサブヒロインの10名もそんな奴らだ。体験版では月姫のシエルを仲間にできた。装備もそのまんま。
こんな風に書くとイロモノRPGみたいだが、単純にシナリオに関わるキャラを二次キャラに置き換えているだけで、RPGとしての面白さにまったく影響はない。むしろ+要素。オタクな紳士程笑えるし、知らなくても全く問題なしだ。シナリオに融合させる妙技が見事。最初に攻略するエリアはDr.ゲロと彼に従う16号~18号が支配するエリアだ。
■敏捷がキモのWTB。誰にどんな役割を与えるか戦術性と自由度が高い。
本作の戦闘はWTBであり、面白さの半分はここにある。ゲージが100になると行動可能になりそれは敵も同じ。通常攻撃や低レベルのスキルは選択後に即発動するが、スキルは基本的に溜め時間を要する。ボス戦闘では、強力なスキルを使う気配を見せたら即「バッシュ」等のスキルで潰しにいきたいところだ。
しかしタイミング悪く間に合わないこともあるかもしれん。そこで大事になるのが「如何にして順番が早く回ってくるようにするか」だ。まぁWTB自体、敏捷が大事なステータスであることはは当たり前なのだがな。
方法としては2つある。ひとつはナイフ系や片手槍系等の装備効果、敏捷+%を使う方法。敏捷40で+20%なら48になる。敏捷が大きくなるほど効果は大きい。敏捷底上げということだ。
もうひとつは、カウントゲージがゼロからでなくある程度あがった状態から始まるスキルで順番が回ってきやすい状態を作ることだ。例えば片手槍のスキル「貫通攻撃」は、固い敵に有効(鎧系装備効果の打撃抵抗○%を無効化)なだけでなく、次行動までのカウントがゲージ50から開始となるのだ。
貫通攻撃を使い続ければ行動順は飛躍的に増える。いざ、という時の回復行動にも対応しやすくなるワケだ。こういうキャラが1人いると、かなりラクになる。
魔法以外のスキル使用にMPやTPを消費しないという、変わったシステムだからこその戦術。敏捷は無視して一撃必殺の両手剣や斧使い、魔法キャラがいても面白い。敵から狙われやすいが被ダメを最小限に止めるタンク役も有効。バランス型もいいだろう。
■装備品と各キャラの特性を鑑みた組み合わせで悩もう
前述の通り、装備品には系統ごとに+効果がある。そしてキャラに装備制限はない。全ての装備をすべてのキャラが装備可能なのである。だったら誰使っても同じやん、と思うかもしれんが、キャラ毎にステータスに個性があり、更にレベルアップで覚えるスキルも異なる。例えばオデットはLv7で5種類の武器のスキルを覚えるが、戦士のカリンは3種類だ。
また、メインヒロイン達は固有のスキルを所有している。オデットは次の行動順まで狙われ率が高くなる「かばう」、カリンは敵アイテムを盗みつつ微ダメを与える「ぶんどる」。
自由度は高いものの、ある程度役割傾向は決まっているのだ。我輩的にはぶんどるの確率をもう少し上げてほしかったorz 敵味方含め物理攻撃の命中率が少し低い。8~9割位?敵はいいが、味方はイラっと。
■戦闘バランスは見た目からしてFF…ではなくDQとFFの中間位?割と苦戦
サイドビューWTB、更に魔法名やアイテム名もFFチックなものが多い故そういうバランスかと思いきや、数値低めの割と緻密なバランスの戦闘である。セトとオデット、後に仲間になるキャラも最初はLv1からだ。
雑魚敵には「Lv○盗賊」といった名前が付いており、実際そのレベルより下だと苦戦する。特に敵複数とエンカウントした際は敗北色濃厚。そんな敵が序盤からフィールドにウジャウジャいる故、逃走成功100%の恩恵を活用することになる。倒せそうな敵なら屠る。この繰返しでレべリングだ。
我輩的に秀逸だと思ったのが、雑魚敵PTの組み合わせだ。レベルの上がりにくい本作で同じような雑魚と延々と戦っていれば作業になってしまうが、雑魚敵PTの組み合わせにかなりのパターンがあり、緊張感をもってレべリングできる。
PTよりレベルが高い雑魚敵、だが敵は1体、頑張って倒すぜ!その敵を含め7体とかにエンカウントした際には即逃げる。同レベル3体なら…よしイケ!
こんな感じで雑魚組み合わせパターンも非常によく練られている。雑魚敵組み合わせパターンにこれほど配慮された同人RPGはなかなか見当たらない。
■シナリオに影響しないが、やっておくと攻略・エロの幅が広がる要素
特定の場所を探索していると、低確率で雑魚とは違う敵にエンカウントすることがある。大きくわけて3種類。①仲間になりえる♀虹キャラ(前述のシエル等)、②仲間にはならんが捕えて拠点邸宅で調教可能なモブ♀キャラ、③名前が特徴的な固有の敵だ。
①はいわゆるサブヒロインで1体で登場し、強さはエリアボスクラスかそれ以上。勝利してもすぐには仲間にならず拠点邸宅で調教が必要な場合もある。もちろんエロシーンだ。調教はある程度の時間を要するが、攻略、エロの為にも是非行く先々で捕えておきたい。情報は近場の町等で得られる故、情報収集が大事。
②は雑魚敵数体を従えて登場するなんかエラそうな♀キャラだ。倒して捕えれば調教して売り払える換金キャラ。調教は4種から選べ、どれを選択すればより高く売り払えるかはキャラごとに異なる様だ。調教エロシーンは4種の汎用CG。
③は倒す、ぶんどるでその時点では貴重な装備品やアイテムをゲットできるレア敵。
■さっき買った武器、こっちの武器屋の方が安いTT
これもあまりみない要素だが、装備品やアイテムの価格は売っている店ごとに異なる。出店的なショップは高い傾向にある気がする。また、エリアの採掘資源によっても価格が異なるっぽい。例えば樹木の少ない鉱山エリアでは木由来の装備品は高い?店をよく見極めるべし。
■エロはメイン・サブヒロインとの甘系エロ&調教エロが中心。
エロはほぼ拠点邸宅で発生する。それ以外だと、NPCエロのデバガメ等もあり(←古い表現 メイン・サブヒロイン共にPTに参加していると好感度があがり、一定に達する度に拠点でPTを解散後にお声がかかる仕様だ。ラブ・調教陵辱半々といったところだろうか。
セトのイチモツは巨根&イボイボあり凶悪。♀をよがらせるリーサルウエポン。ラブイチャエロはノーマル傾向が強く、陵辱調教では拘束・道具も使う。前述の通り、モブ♀は顔を特定できない汎用CGでのエロだ。が、これはこれでエロイ。
シーン自体は短めだろうか。ゲームに没頭していてもテンポを崩さないと思うぞ。EDは7種ある故、おそらくメインヒロイン毎にあるのだろう。目当てのヒロインをPTに入れて好感度をあげるといいのでは。体験版で閲覧可能なエロシーンでは、構図的にズッポリという感じではなかった。断面図がある故、挿入感はそれなりだが。
エロに関してはゲーム+α要素と感じた。王道RPGで感情移入したヒロインとのエロ、見たかっただろう?そういう意味合いが強い気がする。ハードエロやビッチとは無縁だろう。と、見せかけて体験版以降NTRとかあったり…はないと思うが。王道シナリオRPG故。
■ちょっとした攻略情報
序盤はセトとオデットのみで戦闘が厳しい。セトは魔法タイプで被ダメ集中に弱い。街道を西に進み、さっさとカリンを仲間にするのが吉。戦闘があるが、装備を整えていればLv2.3もあれば勝てる。そこそこ強くなったら早めにシエルを倒して仲間にすべし。4人PTになるとレべリングにかなり余裕が出る。
■体験版総合的に
ゲーム・シナリオ性が非常に高く、プレイヤーを引き付ける引力はブラボー級だ。ただしそれは良作SFC的なノスタルジックなRPGをプレイしたい紳士に限られる。同人RPGにナニを求めるのかで評価は変わるだろう。
レべリングにプレイ時間を奪われるのが苦痛な紳士にはまったくオススメできない。我輩はまずゲーム性を求める故、大変に好印象。これだけ練り込まれたシステム・遊び応えあるバランス・世界観は素晴らしいの一言。腰を据えて攻略に没頭するRPGなのだ。
あの時代ライクな面白いRPGをプレイしたい!という紳士なら是非体験版を遊んで頂きたい。ゲーム完成度は当時のスクウェア・エニックスのイメージ。あくまで体験版の話だが。このサークルさん、かなりのゲーマーなんだろうな…
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