その後、勇者の姿を見た者はいない　ぽいずん　感想・レビュー

■INDEX

その後、勇者の姿を見た者はいない　体験版

その後、勇者の姿を見た者はいない　体験版

半年前に魔王を倒した勇者・アステルが主人公のMV製RPG。魔王を倒した折、魔法(?)により女体化したうえに勇者の力を失ってしまった主人公は、ショックのあまり半年間引きこもったのち「民間郵便会社ウォールポスト」で働き始める。同僚の魔族の少女・イマと共に各地を探索、「転送ポータル」の発見と起動を任務としつつ、世界を揺るがす事象に巻き込まれていく。

ゲームとしては一本道のストーリー重視型でありつつ、レベルアップや装備の他、アビリティに「戦技システム」などゲーム性を高める要素が多く。更にエロするほど強くなれる「Hレベルアップシステム」によりゲーム性とエロ融合型、若干ハクスラ味のある骨太大作RPGと呼べる作品に仕上がっている。

【体験版評価】8.8/10点 (面白さ8.5 システム9 没入感8.5 エロス9)

全12話構成　オープニング曲とエンディング曲完備

「1クールアニメを見るかの如く」とプレイコンセプトである本作はストーリー重視の全12話構成。1話で「オープニング曲」が流れ、各話の終わりには「エンディング曲」が挿入されるアニメのような演出もさることながら、何より驚いたのがそのオープニング曲とエンディング曲(アニメ含む)のクオリティがなまら高いことだ。一目でものっそい労力とお金がかかっているとわかるし、サークルさんの本作へ意気込みを感じ取れるだろう。

▲冒頭。主人公が1人であっさりと魔王を倒すシーンからスタート

▲死すら覚悟して魔王戦に臨んだウィリアムとハリー(イケおじ)はあまりにあっさりと事を成した主人公にポカーン。ま、まぁ無事魔王を倒せたことだし帰ろうか、というところで

▲なにやら様子が…　突如まばゆい光に包まれる一行

▲視力が戻ると…そこは外だった。転移術だったのだろうか。それより主人公がいないぞ、と辺りを見渡すと

▲まっぱの金髪美少女が倒れていた…

▲ここでオープニング曲挿入

▲こんな感じのオープニング映像と楽曲が流れるわけだが、サークルさんが用意してくれた実際の映像をどうぞ。音が出ますよ。

同人にありがちな製作費節約によるチープさを感じないデキ、労力とお金かかってるよなぁこれは。

▲その後第一話へ

▲女になってしまったショックで半年間引きこもっていた主人公、しかしいよいよ貯蓄が底をつき職探しに出る。魔王戦に同行したイケおじ・ウィリアムが起業した民間郵便会社「ウォールポスト」に就職することに

▲ウォールポスト社の「キャリアー隊」(全員女性)の一員として迎えられる。キャリアー隊の任務は各地の「ポータル」を発見し起動することだ。魔物も出現するため相応の戦闘力必須のお仕事

▲イマという少女(主人公は即座に彼女が「魔族」だと気付く)とバディを組むことになるがどうやら彼女に嫌われている…？

▲イマに嫌われているかもしれないと嘆く主人公を、ルタの姐御が慰めてくれる

というところからゲーム本編開始となる。

▲メニュー画面。体験版範囲では主人公とイマの2人PTだが、製品版では更にロリっ娘(この娘も魔族?らしい)が加わり3人PTになる模様

ちなみにエンディング曲の映像はこんな感じ。

▲オープニング曲ほどアニメに動きは無いが、エンディング曲らしいしっとりした曲。これが毎話最後に挿入される(任意スキップ可)。ちなみに体験版では第二話の終わりまで遊べる

ゲームの基本の流れ　ユーザビリティが高く遊びやすい

「グランテール王国旧市街」を拠点として世界各地に出向き探索する。1話ごとに1～2つほどのダンジョンやボス戦あり、各話最後にはエンディング曲挿入、次の話へ。

街は武器・防具屋、道具屋の他、着替えを購入できる仕立て屋、寝泊まりやシャワー・トイレ可能な社員寮、アルバイト可能なギルド、銭湯、娼館など施設が豊富ながら、コンパクト設計で各施設が利用しやすい造りになっているのが好印象。

▲看板で確認できる旧市街全体図。武具やと道具屋が中で繋がってたり利用しやすい設計

また、Rキーを押すと「次の目的」などを表示、Fキーで任意で社員寮に帰還できるなど便利なシステムを搭載、テンポを損なうことなく遊びやすく。

▲便利キーは画面右上に常に表示。Tキーの「会話」はストーリーが進むごとに新たな会話イベント(または独り言)が発生。細目に見て行くことで「そのゆう辞典」の項目が埋まる

▲そのゆう辞典はメニューから拝見できる。世界観や時代背景、人物背景がしっかり設定されている本作だが、ストーリーを見て行くだけでは部分的に「???」となることがある。そのゆう辞典やGTクロニクル(購入できる新聞)で知識を補完すると理解が深まる作りになっているのが個人的に楽しい

戦技システム　戦闘ではMC管理が重要

本作ではPTキャラそれぞれに「メイン武器」「サブ武器」の概念があり、戦闘では特徴の異なるメイン、サブの武器を使い分けて戦う。主人公のメイン武器は「剣」、サブ武器は「槍」。イマならメインは「鎌」、サブが「杖」だ。

レベルアップで習得する「スキル」とは別に、各武器には専用の「戦技」をセットして使用できる。剣なら2回攻撃可能な「スピードレインⅠ」「スピードレインⅡ」など。数字が大きいほど威力が上がるが消費MC(所謂MP)も上がる。杖なら「癒しの風(回復)」、鎌なら「炎舞(炎魔法2回攻撃)」といった様に、武器ごとに戦技の系統が異なるため、戦闘では適宜メインとサブを切り替えて戦うのだ。

▲武器屋で武器に戦技をセット(継承)できる。特定アイテムを入手するとどこでも戦技のセットが可能になったりも

▲市街の外に出るとすぐ敵シンボル。ただこの辺の魔物は穏やかで弱く、積極的には襲ってこない

▲今はメイン武器の剣を装備しているため攻撃コマンドに<メイン>と表示されている。メイン↔サブ武器の切り替えは戦闘コマンド一番下を選択

▲戦技、スピードレインⅠ。難易度にもよるが、戦技の使用頻度はかなり高い(スキルより有用なものが多い)。戦技は主に敵がドロップ、余った戦技は金策にも使える(むしろメイン金策)ため、ハクスラで戦技集めすべし

本作ではMCを回復しながら戦うのがセオリーとなっていて、MC回復手段は戦闘中の与ダメ(若干回復)、コマンド「チャージ」(防御しながらMCを小回復)の他、消費アイテムでの回復や予め食べた食事の効果でも若干回復(戦闘終了ごと)する。

基本的に一度セットした戦技は外すことができない、という仕様を踏まえるとどの戦技をセットするか結構悩ましかったりする。威力が高い戦技はMC消費も高く、ガス欠頻度が高く連発できない。威力が低い戦技はMC消費も低く連発可能だが強敵戦での火力に劣る。両方作って使い分けるのもいいが、じゃあ貴重な武器にはどちらをつけるべきか…など戦技のセットひとつとっても考える余地がある。

▲特に物理火力タイプである主人公のMCは枯渇気味。食事やアイテムでの回復、アビリティや装備でMCの最大値を上げる、技量(MC回復値に影響)を上げるなど工夫しよう

アビリティで補完・強化　レベリングには必殺技

アビリティをセットすることで各キャラ固有の必殺技が使えたり、パッシブスキルのように能力値を補完・強化することができる。

▲スロットの数だけアビリティをセットできる。「HPが50%以下の時攻撃力30%アップ」など条件付きアビリティも数多く

アビリティスロットは当初は2つしかないが、後述の「Hレベルアップシステム」を利用することで最大5つまで増やすことができる。パッシブスキル的なアビリティは店売りや宝箱、「Hレベルアップシステム」でゲットできる。

必殺技アビリティに関しては各キャラデフォ所持、セットしておくと戦闘開始時12%の確率で必殺技発動可能に。発動すればMC消費なしに敵を一掃して勝利できるというスグレモノだ。

▲戦闘開始時。通常は戦う・逃げるの選択だが、必殺技をセットしておくと12%の確率で「必殺技」を選択可能に

▲全体に999ダメージで勝利。MCも消費しない！レベリングで是非活用したい。当然だがボスやイベント戦では使えない

3人PTでそれぞれのキャラに必殺技をセットしておけば36%で発動可、レベリングが捗る。ただし必殺技を使用すると戦闘後お金がもらえないデメリットあり。たいしたこたぁないけど。

序盤はアビリティスロットが少ないゆえ、戦技ほどではないが何をセットするか悩ましい。必殺技は便利だが、外せばその分能力値を補完できるしな。主人公をMCと攻撃力重視のセッティングにしたり、イマはMC節約の回復役セッティングにしたり。戦技とアビリティ、装備品の組み合わせによるビルド要素はそれなりの深さがある。

▲ステータス画面では髪型とコスを着替え可、↑は魔法学校の制服。コスは防具とは別、仕立て屋で購入できる。製品版で入手できる「バトルドレス」なるコスは能力値アップしたりする…のか？

エロでも強くなれる！Hレベルアップシステム

本作ではエロすることで「H経験値」が上昇、一定に達するたびにHレベルが上昇する。2レベルごとに様々な恩恵を受けることができる。例えばアビリティスロット+1、戦歴ポイント+1000、その他スキルや武器をゲットできたりも。エロすることでも攻略が捗る「ゲーム性とエロの融合型」仕様。

▲本作のエロステ、画面左にHレベルと次のレベルまでのH経験値、レベル達成による報酬を表示。報酬はアビリティにスロット、戦歴ポイント、装備品などバリエーション豊富

▲イマのエロステ。キャラごとに報酬は異なる。ちなみにHレベルを上げることでどのキャラも「露出徘徊」が可能になる

じゃあ処女プレイ時(本作は処女プレイ可！)はこのシステム使えないやんけ。否、エロしなくても「H経験値」を得られるアイテムがある。ボスドロップなど入手難度はやや高めだがおそらくアイテムだけでもカンストは可能なはずだ。

自室で何度もオナニーするなど序盤からガンガンエロするほど攻略が捗るぞ。

先述した通り本作はストーリー重視の一本道の王道RPGではあるが、ギルドクエストを含む本編とは関係ない多彩な「アルバイト」、エロするほど強くなれる「Hレベルアップ」、敵を倒すことで貯まる「戦歴ポイント」、髪型とコスチュームを変更可能な「着替えシステム」など道草的な要素が用意されている。

ボス敗北エロと多彩なエロバリエーション

エロはボス敗北の他にもストーリー上で発生するエロ、アルバイトでのエロ(多数)もあり、特にアルバイトでのエロイベントは「バトルファック野球拳」など一風変わったガワのものも。ボス敗北はキャラごとに存在するし、中田氏されればシャワーで掻き出すイベントや確率で妊娠イベントなども発生して、体験版範囲の2話分だけでもバリエーション・ボリューム共に想定外。1つのイベントの差分も多く捗るっ！製品版ではCVも付いてより捗るんじゃなかろうか。

▲第一話後半、夜の社員寮を何者かが襲撃。迎撃せよ

▲襲撃犯の首魁はなんとルタの姐御だった。ボス戦へ、魔剣の斬りつけは2回攻撃な上にランダムでデバフを付与してくる。難易度ベリーハードだとめちゃくちゃ強かった

▲ボス敗北後は誰のエロを見るか選択

▲主人公の敗北エロ。自爆アイテムは序盤で入手できる

▲イマの敗北エロ。どちらの輪姦シーンも一発目のあとの描写もちゃんとされいて差分多数

敗北エロ後は「その後彼女たちを見た者はいない…」となってGAMEOVERになるが、直前のポイントから復帰できる。回想を埋めるには2度敗北してそれぞれを見る必要があり、若干面倒と感じたが、そもそも回想全解放要素は用意されているし、1周目から全部回収しようとしなくてもいいのかも。でも負ければH経験値入るしなぁ…　まぁこの辺は処女プレイ然り、プレイヤーの好みでどうぞ。

▲勇者の仲を騙る3バカ

▲3バカの代わりに戦うことになるゴブリン戦。ここで敗北すると

▲戻ってきた3バカに気絶している主人公がエロられる

▲イマを選択した場合

3バカはことあるごとに登場し、直後の戦闘で敗北すると3バカにエロられることになる(GAMEOVERにはならない)。体験版では1段階目しか拝見できないが、製品版ではヒロインごとに3段階用意されているとか。

▲二話、濡れ衣を着せられ牢に入れられ拘束された主人公をスケベ看守が襲う。選択肢次第でエロげ。ちゃんと処女プレイに対応

▲挿入されてしまった

▲敗北エロ以外のエロシーンでは「外出し交渉」が発生。ヒントを元に3つの選択肢から選択、成功すれば外出し、失敗すると中田氏され確率でバッドステ「妊娠」に。全能力30%ダウン。社員寮に戻らないと解除できない

▲失敗。妊娠はしなかった(セーフ

▲二話のボス敗北イベントはイマオンリーだった

▲社員寮の自室トイレで「安全日」「危険日」を切り替え可。安全日にすると妊娠しなくなる。危険日だと前述通り中田氏で確率妊娠

▲社員寮自室シャワー。中田氏後に使用すると掻き出しイベント発生。行き届いてますなぁ

▲妊娠した場合、社員寮自室ベッドで出産イベント発生(胎児が生まれる描写まではなく、産んだ子の描写もないソフト出産イベント)。バッドステ「妊娠」解除

イマのイベントを見たい場合はメニュー→並び替えでイマを先頭にすると発生する。

▲銭湯覗きイベント

▲銭湯アルバイトで発生する「BF野球拳」。ジャンケンで勝つごとに相手のHPが1減り、オッサンズのHPをゼロにすれば勝利。これ主人公がHPゼロになるとエロられる、と思いきや

▲なんとHPが1減る度に異なるエロが発生、エロがエスカレートしていく仕様。おいおい、このイベントだけで基本CG5枚以上使ってるぞ…　もちろんイマの分もまだ見ぬ3人目の仲間の分も用意されている

ざっとエロシーンを見てきたが、体験版範囲でもまだエロあり、製品版ではギルドクエストやら娼館やらもエロすスポットになるワケで。とんでもないエロボリュームと質であることがおわかり頂けただろうか。

▲加えてエロシーン以外にもCGイベント多数。全部で何枚CG使ってんの…

▲NPCも結構登場するし

▲2話ラスト「本物の魔物」戦。魔王が倒れて久しいのに何故…？

ストーリーについては全然紹介できてないが、話の盛り上げ方や演出は流石に上手い。一つだけ言わせてもらうなら、専門用語多め&駆け足気味の展開で温度感的に付いていけないシーンが少しあった。「まだ2話なのに(イマイチ把握できてないのに)そんなに盛り上げちゃう？」みたいな。まぁこの辺の感じ方は紳士によるかね。