エロRPG「アドゥスタ海の孤島」　男爵領

RPG

2020.01.13

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アドゥスタ海の孤島　体験版感想・レビュー

アドゥスタ海の孤島　体験版感想・レビュー

ソロ冒険者・アイシャの冒険譚第三弾となるエロRPG。君はギルドの依頼で目的地へ向かう途中、乗っていた船が巨大な魔物に襲われ、一人名も知らぬ孤島に流れつく。その島は海賊の根城、単独侵入を試みると船に同乗していた者たちが海賊に捕らわれていた。島から脱出するには船、航海に必要な道具類、食糧が必要、捕まった者たちと共に脱出するとなればまた別のプランを用意せねばならないだろう。船を襲った巨大な魔物が、同じ海域にいたはずの海賊船を襲わない理由も何かあるはずだ。まず海賊のアジトを探索すべく君は行動を開始する。

初期装備のまま敵と正面から戦うと被害甚大でステルスが基本、戦闘でのダメージ計算にはダイスロールが組み込まれているなどシリーズを踏襲したシステム、処女クリアを目指すのであれば程よい緊張感を味わうことになる設計はやはり面白い！ステルスRPGは数あれど、醸し出される独特なTRPG・ゲームブック風な雰囲気は男爵領さんならでは。

前作「オーレクタ砂漠の魔術師」と比較すると制作ツールがVXAceからMVに、エロシーンにはSpineによるアニメーションを導入、そして主人公・アイシャがフルボイス化！演じるのは商業エロゲ(別名義)で活躍されている水奈月ひなん嬢、その演技は時にコメディ、時にはシリアス、濡れ場では色っぽくとしっかり演じ分けられアイシャの魅力を存分に引き上げている。いいチョイスだなぁ。Shade氏が手掛けた戦闘BGMも雰囲気にマッチング、南国の島が舞台ということでいつもの軽装に加え白ビキニなどの着せ替え(任意)もありと、各要素のクオリティがクソ高い力作っ。
【体験版評価】9.0/10点 (面白さ9 システム9 没入感9 エロス9)

▲いつもより軽装で登場。ナイスぷりケツッ！

開始時の技能選択で序盤難易度は大きく変わる

過去作同様、4つの「特徴」から2つを選んでからゲーム開始となる。

過去作を遊んだ紳士であればお馴染みだろう。ナビゲーションには「初回は実戦経験と戦利品がおすすめ」と出るが、事実この二つを選ぶことで序盤の難易度は大きく下がる。というかそれらを選ばなかった場合、序盤は戦闘を避ける縛りプレイになるだろう。

▲実戦経験と戦利品を選択してのメニュー画面

「実戦経験」を選ぶとLv3からのスタートとなる。これを選ぶことの利点は能力値云々よりも「最初からスキルポイントを2所持」が大きい。スキルポイントはLvが3の倍数ごとに得られるポイントで、1消費することで新たな技能を選択して習得できる。

▲メニュー→スキル習得から3種の系統のスキルを習得できる。各系統には更に3種のスキルが用意されており全9種

Lv1の状態で始めるとスキルポイントは1、実戦経験を選べば最初から2つのスキルを習得可能だ。初回プレイでおすすめなスキルは誘惑系の「誘惑暗殺」と盗賊系の「盗賊マスター」かな。効果については後述する。

「戦利品」を選択すると最初から強力な武器「シャドウレイザー」を所持している。これを選ばなかった場合の初期武器は「棍棒」だ。

▲シャドウレイザーの「3d6+9」という性能は「6面ダイスを3個ダイスロールした合計値に9を足した数値」が攻撃力に加算される、ということ。攻撃力の幅は12～27。対して棍棒は攻撃力最大値でも7、性能差は圧倒的。バックスタブなどの攻撃スキルで更に攻撃力が上乗せされるため鬼に金棒

戦利品を選択せず初期装備が棍棒となった場合、一番弱いザコにも勝てるかどうか微妙。主人公は盗賊系特有の身軽さでかなり回避率が高いが、棍棒ではダメが通らないことも多く長期戦となりがち、結局負けることが多かった。戦利品を選べば序盤の対人戦闘ではまず負けない、戦力的には一番大きい。

ということで実戦経験・戦利品を選ぶことで序盤で大きなアドバンテージが得られるわけだが、他2つはというと、「多才」は本来アイテムやフラグ回収が必要なイベントを一部スキップできる。「幸運」は能力値「幸運点」に＋2のボーナスがつく。前者は2周目向き、後者はゲーム全編を通してジワリと効くボーナスだな。

▲島の地上部分は狭い。ここでヘアピン(鍵を開けるのに必要)を1つ消費して全回復できる。最初に「盗賊マスター」のスキルを習得しておくとヘアピンをここでの回復に費やせる

▲海賊のアジト入口。主人公のセリフ以外はゲームブック風語り口調なのも本シリーズの特徴ですな

▲侵入すると一緒の船に乗っていた人たちが海賊たちに捕らわれ、奪った荷物と共に降ろされている

隠れる→不意打ちバックスタブor誘惑暗殺で確実に敵を減らす

マップを自由に探索するためには監視・巡回している海賊たちが多く邪魔、殲滅とまでいかないまでも通行の妨げにならない程度には減らしていきたいところ。敵陣真っただ中を軽いフットワークを武器とする女盗賊が僅かな装備で探索するわけで、敵をバッタバッタと大立ち回りで懲らしめる物語とはワケが違う(そういう遊び方ができないとは言わないが)。戦闘はあくまで「手段」であり必要最低限でいいのだ。回復アイテムなども無限にあるわけではない。

過去作同様、主人公はデフォで「隠れる」スキルを行使可能、敵の視界に入っても見つからない透明人間スキルだ。使った時点で技術点(MP)-1、6歩ごとに1消費する。このスキルを使い敵の監視の目をかいくぐっていくのもいいがそれでは技術点がもたないため、一人ずつ排除していくのが道理。

▲先ほどの荷が降ろされていた場所から少し進んだ場所には3人の海賊が哨戒

▲敵の視界は本編中では表示されないがまぁわかりやすい。序盤は移動せず向きを変える奴が多く「隠れる」を使わずとも進めるシーンもあるが、ゲームの進め方により警戒度が上昇、厳しくなっていく

「隠れる」状態で敵に接触すると「不意打ち」となり1T目は攻撃されない。また隠れる状態でのみ使用できる攻撃スキル「バックスタブ」が強力で、戦闘の基本は「隠れる」からの「バックスタブ」といっても過言ではない。

▲「隠れる」を使い

▲隠れる状態になるとキャラチップが半透明に。背後から接触する必要は特にないが雰囲気的に。静かに…イク！

▲敵のレベルは最も低いが体験版で唯一となる複数戦。棍棒で戦うのは結構厳しい。ただ地上には全回復のため度々戻ることがあるためここの敵は倒しておかないと面倒だ。「隠れる」や逃げるで一度やり過ごしてショートスピアを入手してから戦うのもありか

▲戦闘BGMは元アリスソフトのShade氏(2回目)

「5d6」のダメージボーナスを得るバックスタブは強力だがランダム幅もデカく、棍棒装備だと1撃で倒せる確率は微妙(棍棒の基礎ダメージが1d4+3で4～7＋バックスタブ5～30)、3体相手はリスクがデカい。戦利品を選んでいればほぼ確実に一撃で1体を沈める。

隠れるの使用は敵の視界ギリギリまで控えると無駄な技術点消費を抑えられる。バックスタブも技術点を3消費するゆえ、何が起こるかわからない本作では技術点を温存するに越したことはない。

ちなみに不意打ちでの攻撃ダメージはスキル「急所攻撃強化」のレベルにより増大する。急所攻撃強化Lv2の効果は「+2d6」。こちらも2～12とランダム幅がデカめだが覚えておいて損はないスキルだ。

▲「隠れる」「早着替え(衣装変更)」などよく使うスキルはショートカットAキーでも使用可

また、戦闘にならずもっともリスクが少ないのが「色仕掛け」。敵に見つかった場合、戦闘に突入するか「色仕掛けをするか」の選択となる。

色仕掛けを試みた場合、主人公の「魅力」により成否判定がなされる。誘惑系スキル「誘惑強化」のレベルを上げるほど魅力が上昇し色仕掛けの成功確率があがる。「幸運」も関係しているかもしれない。まぁ体験版範囲の敵ではまず失敗しない。成功すればエロに突入するが、この選択肢は女を欲している海賊が相手だからこそ、相手によっては見つかれば問答無用で戦闘になるだろう。

▲成功するとヤリ部屋に連れ込まれる水着主人公

▲エロ前にこのような選択肢が出るが、どう変化するかはよくわからなかった

▲滑らかアニメでピストンズンズン、おっぱいプルンプルン

この際、前述したおすすめスキル「誘惑暗殺」を習得していると、寝入った海賊の寝首をかき暗殺することができる。得られる経験点も多く、且つアイテムも入手できたりと利点は大きい。誘惑暗殺を習得していない場合は敵を放置して部屋から出るのみ、敵の数も減らない。

本作では倒した敵は復活しないため、主人公の魅力が通じる相手、特に確実に通じる序盤は装備品やレベルに関わらずこのスキルだけで殲滅できる。誘ってエッチして殺る、くノ一みたいなプレイもいい。

最初の特徴選択で「戦利品」を選択しなかった場合は色仕掛けで乗り切るか、「隠れる」でやり過ごすかになる。少なくとも武器「ショートスピア」を入手するまでは戦闘での勝率は低い。

くまなく探索してフラグ・アイテムを回収

戦闘や色仕掛けも楽しいが、本作を含めたシリーズの醍醐味はやはり探索にあると我輩は思う。敵だらけの舞台ではあるが中には話の通じる相手もいたり、スキルやアイテムが必要なギミックの多さ、特に何が起こるかわからない未踏マップでのドキドキ感は相当な水準。レベル上げてボス倒して装備買って～という王道RPGとは異なるゲームブックやTRPG似たプレイ感は没入度が高く、冒険してるなぁと。MVデフォ臭がまるでない厳選されたBGM、SEも没入感を高めている。「音」にもほんと拘られているのはプレイ開始時からわかる。

▲ウェーイ！水着姿で冒険できるんだぜぇ！衣装ごとに能力値ボーナスあり